還暦の「赤」の意味
新しい人生を災いなく過ごし、もっともっと長生きして欲しい!という願いがこの赤い色に込められています。
赤色には、神社の鳥居の色から見てもわかるように「厄除け」「魔除け」の意味があります。暦の干支は60年で一周します。つまり生まれてから60歳を迎えたところで一回りし、生まれた年に戻るということであり、赤ちゃんに還るという意味から「還暦=赤色」とテーマカラーが定着しました。
近年赤色は、情熱の色・積極性や行動的な心を起させる色という考えがあり、現代社会の今でも赤色には「元気」「長寿」の願いを託すことができる色となるのです。
還暦祝いの際に「ちゃんちゃんこは抵抗がある…」と仰る方たちには、赤いスカーフや赤いブラウス・シャツ・バッグ・Tシャツ・小物など、現代に合ったかたちの赤色のプレゼントを選ぶ傾向が増えてきています。
また、ルビーに代表される赤い貴金属や赤倉温泉・東京赤坂プリンスなど「赤」の付く地名のところへの旅行を選ぶ方もおられます。もちろん、赤色にこだわらないこともお祝いのかたちの一つです。還暦を迎えられた方に心から喜んでいただけることが、何より大切であることは言うまでもありません。
赤色のイメージ、赤色が与える色の効果
赤色には魔除けの意味もありますが、他にも赤には様々な効果やイメージがあります。
信号機の赤や交通標識が赤色なのは、注目されやすく記憶されやすいよう、最も目を引かせるカラーである赤を使用しています。すぐに目で検知できるように色で工夫をしているのですね。
また、バーゲンセールのチラシなどに使用されるSALEの文字の多くは赤色で描かれていませんか?これは、赤色は人の購買意欲を高める色だと言われているからです。この表現は広告業界をはじめ、多くの業界で周知されていますね。赤色を商品のパッケージに採用しただけで、商品の売り上げが10%もアップしたという話もあるそうです。それだけ赤色は購買意欲を高められる色なんですね。
この他にも「時間を早く感じさせる色」として、ファーストフードの業界で内装に使用されたり「欲望を刺激する」色として、セクシーな女優さん等は赤いドレスや赤いヒールを履いていたりします。
赤そのもののイメージとしても、太陽や炎の熱く活発なイメージ、またはエネルギーを感じさせるアクティブな色としての印象がありますよね。また、生命の血液である命の色、人が生きるために必要なものと多く結びついている赤は、他のどの色よりも強い刺激があります。
気分を高揚させる働きから元気を与えてくれたり、スポーツでもアドレナリン・闘志を高め、気持ちを駆り立ててくれます。西洋では昔から「赤色は戦いの色」とされており、今でもスポーツのユニフォームに赤を採用しているチームが多いそうです。これもアドレナリンによる効果を高めるためだと言われています。イギリスの科学誌ネイチャーは「赤色のユニフォームを着た選手の勝率は55%」と発表しています。勝率が5%もアップするのであれば、赤で揃えたユニフォームを着て戦いたいですね。
戦国時代の武田の騎馬隊も「赤備え」でしたね。戦いやスポーツにおける赤は、アドレナリンの促進効果だけではなく、人に無意識に「恐怖心」を与えるとも言われています。見た目で強そう、怖そうと印象づける意味でも赤の使用は様々にあります。そういえばガンダムのシャア専用ザクも赤色ですね。
東京巣鴨には赤いぱんつだけを販売している、その名も「赤いぱんつ専門店」があるのですが、申年に限っては例年の何倍も売上が良いのだそうです。というのも、申(さる)=猿=去る、猿のお尻が赤いことからも赤の効果が倍増、赤色の魔除け効果がより強められる年とのことで、12年の中でもっとも売上が良いのだそうです。